私たちが心身の健康を維持し、完治不能ともいわれる様々な現代型疾患(がん・心臓病・高血圧症・糖尿病・・・)に立ち向かうためには、医療技術に頼る前に、本能として生まれ持った「自分力」について十分理解するとともに、病気に打ち勝つ自信を持つことも重要です。

予防医学知識の教育及び普及活動の一環として、学生教育以外に「あらゆる病気に打ち勝つ自分力」等の医学及び生物学的な基礎教育活動を行っております。


私たち人間を含めた全ての動物は、生まれながらに本能として自分の身を守るための素晴らしい力「生体防御機能」を持っています。私たち人間は何か症状が出ると直ぐに「医者だ、薬だ」と他人(医療)を頼ってしまいますが、ご存じのように野生動物は、全てこの生まれ持った生体防御機能という力によって身を守ったり、病気を癒したりしているのです。

この本能としての生体防御機能には、下に示すように恒常性維持機能、免疫機能、自然治癒機能、自然淘汰機能などが含まれます。

自分自身で身を守る生体防御機能
恒常性維持機能 体温、血圧、pH、生体成分(血糖、タンパク質、コレステロール…)、神経バランス・ホルモン分泌などを最良の状態に調製する働き
免疫機能 体外から侵入してくる異物や体内で生じた癌細胞などを攻撃・撃破して、異物から身を守る働き
自然治癒機能 身体の異常や損傷を改善したり修復したりする働き
自然淘汰機能 体内不要成分を分解・排除したり、不正受精卵の着床を淘汰したりする働き

これらの生体防御機能は、人間の場合60兆個といわれる生体構成細胞の内、それぞれに分化した担当細胞によって正確かつ精密にその機能が営まれているのです。ところが、健康状態を疎かにし、それぞれの細胞活性が低下すれば、恒常性維持機能や免疫機能、自然治癒機能、自然淘汰機能などは必然的に働きが弱められ、自分の身体の中で、自分の生体防御機能不足により、様々な障害が生じてくることになります。

ガン、脳卒中、心臓病、高血圧症、糖尿病、高脂血症・・・今の医学をもっても完治することが望めない、現代型疾患(生活習慣病)は、まさに、私たちが本能として持っている「生体防御機能」という生まれながらの力、この力が低下したり乱れたりすることにより引き起こされる病気と言い切っても過言ではありません。

現代型疾患を未然に予防し、あるいは完治していく為には、本能としての「生体防御機能」を営んでいる担当細胞をいかに刺激して活性化していくか、ということが予防医学にとって重要な課題となるわけです。そして個々の細胞に適度に刺激を加え生体活性をはかることで、本来、動物として持って生まれた様々な自分の力を発揮させて生きることが「若々しく元気で長生き」を実現させてくれる最良の方法だと考えます。

※{ 書籍「生体防御反応」(監修 戸邊 成四郎)より抜粋 }